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夕方になると、特にショートステイを利用している方の「帰宅願望」が多くなりますよね。
忙しい毎日の業務の中、「帰宅願望」を訴える利用者さんへの対応に困っている職員さんが多いはずです。
認知症の患者の利用者さんに、
少しでも落ち着いてもらえる、上手な職員の対応とは?
Contents
認知症の症状「帰宅願望」はなぜ起こるの?
「帰宅願望」は認知症の中核症状の一つ、
「見当識障害」に当てはまります。
見当識障害とは?
自分のいる場所や、現在の日時などを理解できない障害です。
このように大きな不安の中にいるので、
何度も何度も!家族や介護職員に同じ訴えをしてきます!!
逆の立場になって考えてみてください!
長い間、住み慣れた家に居られない自分を・・・
photo by : Norio.NAKAYAMA
今までの住み慣れた家にいるなら、この様な不安は少ないですが、
- 同居している子供の家
- 特養やグループホーム等の介護施設
など、
環境が変化してしまっていると、このような不安が生まれてしまいます。
- 見慣れない人(介護職員)の顔
- 見慣れない景色
- 聞きなれない声
- 家とは違う匂い
住みなれない家に住んでいるから、「ここは自分の家ではない・・・」と思ってしまうのです。
photo by : llyglad
この様に帰宅願望を訴えている、認知症の人に対して、「ここが家ですよ!」と伝えても、理解しようとはされません・・・。
この記事内の「文章」を読めば、認知症の人の気持ちを疑似体験できます!
認知症患者の人が、どれだけ「不安」なのかが少しでも理解できるはずです!!
↓ ↓ ↓
家での在宅介護でも、同じような問題がいつも起きています!
自分の親が認知症患者になり、住み慣れた家から離れ、
息子や娘の家に、介護のために引っ越した方も同じような事を訴えられます。
自分の家にいるのに、
帰宅願望を訴える認知症の親の方が多いのです。
在宅でも、介護施設でも同じなんです!!
「住み慣れた自分の家」
という大きな存在を奪われた人の不安な気持ちを考えてみましょう!
「家に帰りたい!」と訴えている認知症の人に言ってはいけない!禁句の声掛けとは?
「帰りたい!」と不安そうに訴えている人に、この様な声掛けをしたらどうなると思いますか?
↓ ↓ ↓
- 「ここが○○さんの家ですよ!」
- 「ここががお母さんの家なの!!」
- 「帰る場所なんてないの!」
- 「今日はもう帰れないですよ!!」
- 「家に帰っても誰もいませんよ!!」
- 「今日は泊まっていってください!」
などなど・・・。
この様に、帰る事を否定した声掛けは、ますます不安になり、逆に興奮状態になってしまいます・・・。
まずは、
一度じっくり話を聞いてみて、「帰りたい!」という気持ちを一緒に考えてあげましょう!!
そんな時間が無い時は、
「大丈夫ですよ!後で話聞きますから!!」
「必ず話を聞きます!」という姿勢や態度を相手にみせることが大切です!
「家に帰りたい!」という理由を考えてみる!
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「家に早く帰りたいんです・・・」
その理由って何でしょうか?
どうして帰りたいのでしょうか?
まずは、認知症の人が「帰宅願望を訴える」理由と目的を理解しようとしなければいけません。
- ここは自分の家ではない!
- 何となく居ずらい・・・
- 純粋に自分の住んでいた家に帰りたい!
他に、目的もあるはずです!
一緒に考えてみましょう!
例えば・・・
- 家に帰って、洗濯物をしまわなきゃ!
- 家に帰って、主人や子供たちのご飯を作らなきゃ!
- 家に帰って、鍵を閉めなきゃ!
などなど・・・
帰りたいという目的が必ずあるのです!!
この様に、帰宅願望を訴えられる認知症患者の方に、目的をしっかり聞き、理由を理解しようとする姿勢が大切です!
でも!!
一番の理由は・・・
「とてつもない程の大きな不安」からくる精神障害。
photo by : Jonathan Kos-Read
だという事を忘れてはいけません!!
帰宅願望を訴える人への「適切な対応」と「上手な声掛け」とは?
目的や理由が何となくでも理解できたら、
まずは、
「そうですよね!」と、
一緒に共感してみて下さい!
共感ってものすごく、安心してもらえます!!
そのあとに、何か別の目的や行動を提案してみて下さい!!
- 「あ!○○さん!どうしてもお願いしたいことがあって~!!」
- 「あ!そうだ!○○ができなくて・・・私困ってるの~教えて!!」
- 「どうしても解らないことがあるんです!○○さん!教えてくださいよ~!!」
などなど・・・
お願いして、相手を頼りにする!
この様に、
・重要な別の「目的」を見つけてあげるのです!!
・今の家・施設にいる「目的」を作ってあげればいいんです!!
photo by : tec_estromberg
人は頼りにされると必ず嬉しくなるものです!
そして、
【ここが自分の居場所】と『ここにいても大丈夫なんだ!』少しだけ感じてくれるようになります・・・。
「私たちも同じですよね?」
ですが、認知症が重度になっていくと、上記のような会話が理解できなくなってきます。
そんな時は、
- 「晩ご飯食べてからでもいいですよね?せっかく作ってくれたんだし・・・」
- 「もう夜も遅いから、明日帰りましょう!」
それでも、訴えが続いているなら、
「そうですね!送りますから一緒に帰りましょ!」
と言って、
一緒に散歩しながら出掛けてみてみましょう!
少し気が済んで、落ち着かれることが多いです。
認知症の人は、帰る事を言っていたこと自体を忘れてしまっていますので、気分転換が効果的な事があります。
私たちの言葉に込められた、「共感」が態度となって伝わり、安心してくれるのです!!
認知症の人への「嘘」とは?「言ってもいいウソ」と「悪いウソ」との違いとは?
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普段から私たちは、
認知症の人に、「嘘」ばかりつきます!
でも、その嘘が、
相手の気持ちに寄り添う、安心してもらう為のウソであるのなら、
介護技術の一つである僕は思います。
・「相手を思いやる嘘」
・「安心してもらう為の嘘」
僕はけっこう必死で考えています!
このようなウソも介護コミュニケーションの一つだと思います!
まとめると!!
帰宅願望の人への、上手な対応は、私たち介護職員、ケアスタッフが「相手の気持ちに寄り添う心」を持つクセ(習慣)を持つという事なのです!
私たちに、「共感する心」がなければ、全くと言っていい程、「安心」してはくれません!!
認知症の人の「不安な心」を落ち着かせてあげるには、
「大丈夫ですよ!」という共感する気持ち!!
が最も大切なのです!!
他の認知症症状への対応の仕方もありますので、関連記事を是非チェックしてみてください!!
最後まで、記事を読んで下さいまして、ありがとうございました!
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